心象風景

 

先週、雪のすごい日の午後だった。

真っ白い風景のなか

高速バスに揺られていた私は突然、

「作詞」の能力に目覚めた。

 

 

目覚めた、というより、

以前から詞の一部になりそうな

ワードを思いつき次第メモしていたのだが、

今回はあまりにも確実な意欲と共に

自信が降りてきた。

 

「書かなきゃ」と思ったのだ。

今なら書けると。

恥ずかしげもなく、何の抵抗もなく

文字に落とし込めるぞ!と。

すぐさまiPhoneのメモを開き、

かなりの時間打ち続けた。

 

作曲スキルは無いし、

打ち込みの技術も無い。

ただ、いつか誰かに歌われることを

仮定した “歌詞”。

湧き出てくるのだ。単語が。

それに付随した情緒や景色が。

私のなかの心象風景を

少しずつ切り取っている、と言ってもいい。

 

結局、その日のうちに

8曲分の詞が書き上がった。

うち1曲は7つくらいしか知らないコードを

なんとか組み立てて、

ギターで弾き語ってみたりした。

 

旋律も自然と口から溢れ出てきて、

メモを取らずとももう覚えてしまった。

なんだこれは??

 

 

所属しているサークルがサークルなので、

曲を作る人が周りにいる。

「その本人でしかない」ような

詞を書く人もいれば、

歌い手の輪郭が見えない詞を

書く人もいて、その幅が面白い。

 

もう部員全員にオリジナル楽曲を

弾き語って欲しいほど、

個々人がどんな曲を書き

歌うのか興味深い。

 

現在11曲分の歌詞の

ストックがあるのだが、

20曲を越えたら何かしら

アクションを起こしたい。

コードの勉強をして作曲するか、

他者に曲をつけてもらうか…。

 

いや、私は美術科だ。

これらを短編映画にしてみるか?

せっかく文字なのだから

詩集として展示するのもアリかな、

などとあれこれ考えを巡らせている。

たのしい。

 

 

散文になってしまった。

 

あの「降りてきた日」以来

3曲増えたわけだが、

あれから1週間ほど経った今、

なんと全く何も浮かばない。

またいつか、前触れもなく

降りてくるのだろうか。

 

その瞬間を待つ。

正直私の心象風景は面白い。

いつかどんな形であれ、

必ず世に出される歌詞たちよ…

 

 

 

おわり